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プロパティマネジメント入門3
マーケティングとテナントニーズの把握が前提

  プロパティマネジメントの目的は、オーナーに代わって「不動産の収益性を上げ、不動産の価値を上げること」につきます。必ず成功する秘策があればいいのですが、現実はそんなに甘くありません。正攻法で正面から地道に取り組むことが、結局は近道です。具体的な方策としては、4つ考えられます。
  第1 は、空室の解消(入居率改善と既存テナントの維持)です。それには、マーケティングとテナントニーズの把握が前提となります。ご存知のことと思いますが、テナント獲得の可能性の9割は賃料設定で決まります。的確な賃料設定によるリーシング活動を行い、テナントニーズに合わせた柔軟な対応を行えば、必ず入居希望のテナントは現れるものです。
  既存テナントに対しても、攻めの対応が大切です。テナントが退去を決定してしまってからではどうにもなりません。日頃からテナントとの接触を心がけ、少しでも早く不満をキャッチし、退去の芽を摘むことです。特にクレームは、テナントの潜在ニーズを見極め、テナントとの信頼関係を構築する絶好のチャンスです。
  第2 は、賃料単価の改善(値下げ阻止と値上げ)です。これは、テナント層に合わせた効率的な設備投資がポイントとなります。無闇に費用をかける必要はありませんが、投資を抑えているだけでは賃料の改善どころかテナントの引き止めも望めません。マーケティングとテナントニーズの把握がやはり、重要な前提となります。
  第3 は、管理コストの削減(費用の削減)です。ビル経営の管理経費の大部分を占めるのは、ビルメンテナンス会社に支払う管理委託費です。ここでも、単に管理委託費を削れば良いというわけではありません。いかに建物管理のコストと品質のバランスをとるか、です。具体的には、建物の管理仕様の策定、契約内容の見直し、統括発注と分離発注の検討などが欠かせません。
これからはバリューアップの検討を

  第4 は、競争力維持のためのバリューアップ(各種リノベーション)です。当然、計画的な維持管理によって建物の機能を維持することが不可欠ですが、それと同時に、テナントのニーズや社会的動向を敏感にキャッチし、建物の価値が陳腐化しないよう付加価値をつけることも考えなければなりません。
  もちろん、建物の管理費用は限られていますから、通常の修繕や保全工事と予算のバランスをとりつつ、必要に応じて「ここ」というとき積極的に投資する決断力が求められます。実際には、テナントニーズと業界のトレンドをふまえつつ、費用対効果の検証を行ったうえで、決定します。テナントが入居しながらの工事となるので、工事体制の確認も欠かせません。
 
  プロパティマネジャーはオーナーに代わり、市場環境やビルの現状などに応じて、以上のような方策を組み合わせながら「不動産の収益性を上げ、不動産の価値を上げる」ための提案を行い、実務を代行していくのです。

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